前回は信夫山「ねこ稲荷」の伝説でしたが、今回は数々の史跡が集中している信夫山の旧参道「御神坂」のお話です。
信夫山墓地を登っていくと、第一展望台に行く道と羽黒神社に登る道に分かれています。しかし、実は真ん中にもう一本、車では登れない狭い山路があります。その路こそ、昔から大わらじを担ぎあげていた羽黒神社の正参道。実際に登ってみると、急坂なことに驚きます。
昔の「暁まいり」では、雪や氷で滑るこの坂を、男性が女性の手を握って助けながら登ったので、“縁結びのお祭り”といわれました。
初めの急坂を登ると、急にぱっと明るい平地に出ます。そこには羽黒神社の赤鳥居が厳然と立ち、左右には八幡神社や念仏橋の石碑などの史跡があります。T字路になっていて、左に行くと薬王寺から鴉(からす)が崎に至る山伏の修験道です。正面の赤鳥居をくぐり、さらに登っていくと、左手に羽黒観音堂が現れます。これが信達三十三観音の三番礼所です。その上が、ねこ稲荷で、さらに牛頭神社、飛脚問屋が寄進した石燈籠、三宝荒神、天王宮、一の宮神社などの史跡が連なり、江戸時代の雰囲気が色濃く漂う史跡の道でもあります。
そして、最後は岩坂を登って、ついに大わらじのある羽黒神社に到達します。帰りは、楽なユズ畑の道を下りましょう。