今回は、びっき石(蛙石・ひきがえるの意)を紹介しましょう。
福島県文化センターの東上、東陵高校の上に鶏頭森という峰があります。その頂上に、大きな蛙の形をした不思議な自然石があります。誰かが作ったものではなく、自然に蛙形になった石です。
いつの頃からか目が刻まれていて、その背後には明治11年7月に「雷神碑」が建立。鶏頭森は鎮守水雲神社の奥之院ともいわれる、雨乞いの山だったのです。
昔、信夫山の周囲は一面の田んぼで、御山新井村の人々は水にとても苦労しており、雨が降らない日が続くと雨乞いをしていたそうです。「第三小学校郷土誌」には、わらで龍を作り、雨乞いをしたと言う記事も残っています。

 びっき石は、力強く前足を張り、雨を呼ぶ姿がとても頼もしく、願いを込めた村人は、蛙石に集い、雨乞いをしていたのです。
信夫山には「四十八石」と名付けられた、信仰の奇岩があちこちに存在しますが、不思議なことに、びっき石はその中に含まれていません。
現在は、前足の一部が破損していますが、勇敢な姿で信夫山に鎮座しています。一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。びっき石も、信仰の深い信夫山ならではの伝説の一つですね。