今回は、御神坂(おみさか)を紹介しましょう。
信夫山墓地の上に三方の分かれ道があり、中央が羽黒山の旧参道で、御神坂といいます。
暁まいりに登る人も多いのですが、この道は自動車道路とは違う信仰の道として、本来の信夫山の姿をとどめています。
昔、村々の大わらじ奉納は、この急坂を担ぎ上げていました。登りつめたところが、念仏橋の碑と、正八幡宮が左右にあるT字路で、正面に羽黒神社の赤鳥居が出迎えてくれます。まるで、別世界の様な鳥居平です。

 かつて、御神坂には参拝する人を泊める宿坊が並び、参道に面したところを「ミセ」といって、休憩所を設け、土産物などを扱っていました。独特の石垣が積まれ、木枯れた小宮や石燈籠が並ぶ、江戸時代の雰囲気が色濃く残る路(みち)です。
中ほど西にある観音堂は、信達三十三観音の札所三番で、安置されていた観音は、現在、薬王寺に保管されている福島市指定有形文化財の「如意輪観音坐像」です。
西上にあるのが「ねこ稲荷(西坂稲荷)」。御山のいたずら御坊狐が神通力を失ったことでゴンボ狐となり、改心をして、蚕の守り神になったという伝説があります。
行楽シーズン、ゆっくり歩きながら、風景を楽しんで旧参道の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。