「羽黒神社」のお話をもう少し続けましょう。なにしろ、古い古い神社ですから、いろいろ謎が多いのです。
大わらじを見に行った人は多いと思いますが、旧参道の最後の階段を登ると岩盤がむき出しになった険しい坂道になります。そこからが羽黒神社の結界といわれる聖なる領域になるのです。
昔は、階段の右手に寂光寺という山伏の総本山がありました。

 岩坂には、昔、仁王門が有ったのですが、まず注連掛(しめかけ)岩が立ちふさがります。「参詣の人この石を踏まば必ず災いあり」と怖れられる岩で、さらにその上には仁王岩という二本の角を持つ岩盤がありました。
「昭和初めまではしめ縄が掛けてあったが、わらじ奉納が大きくなってから邪魔になり、戦後にはついにダイナマイトで破壊されちまった」と古老のお話です。
ようやく仁王門をくぐると、また岩塊があります。そこには義経の馬の足跡石、弁慶の膝かぶ石、大神宮石塔、西坂珠屑(しゅせつ)の名月の碑がありますが、それは現在も残っています。
面白いのは、膝かぶ石の上に風穴という岩穴があって、つねに微風が出ていたというのです。羽黒山のオシミモノといわれる地下の黄金から吹き上げる嵐といわれますが、今は塞がれているのか見つかりません。残念。