信夫山の第一展望台のある峰を、寺山とか青葉山と呼んでいますが、その頂上にあるのが青葉山「薬王寺」です。
その歴史は古く、天安元年(857年)慈覚大師により開山されたと伝えられています。
江戸時代の初期、福島藩主・堀田正仲は福島城の鬼門の要とし、後には板倉藩の祈願寺として、幕末まで度々記録に登場しています。
ご本尊は、阿弥陀如来坐像ですが、別の間の護摩堂には秘仏日の出不動尊が祀(まつ)られています。天台密教の護摩祈祷(きとう)の本尊ですが、剣と網を持って怖い顔をしています。

 昔、本道に忍び込んだ泥棒が、不動尊の金縛りにあって、朝まで動けなくなり捉えられた話が有名ですね。
また、御神坂(おみさか)にある羽黒観音堂から預かって保管している如意輪観音は、福島市の有形文化財として指定されている優美な仏さまです。
もうひとつ有名だったのが元禄の大鐘で、薬王寺の晩鐘として、福島八景の一つに数えられていました。現在は新しい鐘楼が作られています。
薬王寺は、江戸後期から福島俳壇のサロンにもなり、多くの俳人・文人が集まりました。明治41年には東北六県のイベント「奥州俳人大会」が開催されるなど、いわば福島の文化の中心でもあったのです。やはり、信夫山は大した山なのですね。