信夫山は福島市民のシンボルであり、自然環境豊かな緑の山と思われていますが、実は50年も前から信夫山の樹木は壊滅的な状況になりつつあるといわれています。
昔は、信夫山の木々は自生の赤松を中心として、コナラ、クヌギ、ヤマハンノキなど多様な樹木が混在し、花木も多く、草花野草も実に多様な種類が生えていました。
植生が豊かだと、固有の植物を餌とする昆虫の種類がどんどん増えます。昆虫が豊かだと、それを餌にする野鳥の種類が増えてきます。

 昔の子どもたちは、信夫山でカブトムシもクワガタも採り放題でした。野鳥も豊富で100種類を超えていました。
そんな信夫山が今では雑木と“かずら”に覆われ、自生の樹木は根元に陽が当たらず、すっかり樹勢が弱まって、松くい虫やカイガラムシに蝕(むしば)まれています。山に入ると害虫に倒された赤松などが累々と横たわってブルーシートに覆われています。
原因は、適切な除間伐、下刈りが行われていないためです。石油時代になって、炊事も風呂もガス化され、薪(まき)の需要が無くなってしまったため、木を切り出さなくなったからだといいます。
雑木で薄暗くなった森や林が多くなっている信夫山、なんとか雑木やかずらから信夫山本来の木を救いたいものですね。